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第62話

街の外は異常に静かで、夜明けの黄金色の光がゆっくりとアパートに忍び寄っていた。永遠とも思える長い時間の中で初めて、差し迫った危険も、逃げたり、戦ったり、策を練ったりする切迫した必要もなかった。

それでも、過去の重みは私にまとわりつき、重く、振り払えないものだった。

リチャードはいなくなった。

私たちの一挙手一投足を追いかけ、逃げ続けてきた亡霊は、ついに自らが生み出した混沌の下に葬られた。

しかし、彼の不在は彼が残した傷跡を消し去るものではなかった。

私は少し伸びをして、筋肉の鈍い痛みを感じた。体中が痛かった。それは戦いのせいだけではなく、何週間も、何ヶ月も、多くのものを背負ってきたか...