




第6話
ベラの視点
朝の光がカーテン越しに私の寝室に差し込み、弱く淡い光を放っていた。雨はようやく止み、窓を打つ水音よりもさらに重い沈黙を残していた。いつもより長くベッドに留まっていた私は、下階で待ち受けているであろう緊張感に向き合うのが気が進まなかった。
過去数日の出来事が頭の中で繰り返され、クララの言葉が不気味な繰り返しのように響いていた。「これは危険よ」。彼女は間違っていなかった。でも、考えれば考えるほど、私はそれを気にしなくなっていた。彼女に対する私の感情は、どんなに頑張っても制御できるものではなかった。
ようやく重い腰を上げてキッチンへと向かった。家はいつもより空っぽに感じられたが、クララはおそらく自分のオフィスで、私を避けるために仕事に没頭しているのだろうと分かっていた。
案の定。彼女のオフィスのドアを通り過ぎると、それは閉まっていて、かすかなタイピング音が漏れ聞こえてきた。彼女は私の存在に気づかないふりをし、私もノックはしなかった。
朝食は寂しいものだった。キッチンのテーブルに座ってシリアルを食べながら、庭を見つめていた。伸び放題の茂みや雑草は母を思い出させた。母はあの庭の手入れをするのが大好きで、かつてはこの家の中で本当に生命を感じられる数少ない場所の一つだった。母が亡くなった後、クララはそれを維持しようとしたが、時間とともに放置されるようになっていた。
朝食を終えると、庭の掃除をすることに決めた。他にすることもなかったし、クララが私を無視している間じっとしているという考えは耐えられなかった。
午後になると、私は雑然とした庭をかなり片付けていた。太陽が照り、雑草を引き抜き生垣を刈りながら肌を温めていた。どの植物を残し、どれを捨てるべきか指示しながら笑う母の声が聞こえてくるようだった。
身を乗り出して額の汗を拭うと、大きなバラの茂みの根元近くの土の中に何かが埋まっているのに気づいた。それは小さな錫の箱で、錆びて風化していた。好奇心から、それを掘り出して開けると、中には折りたたまれた紙の束が入っていた。
一番上の紙に書かれた筆跡を見た瞬間、私はその場で凍りついた。それは母の筆跡だった。
震える手で手紙を広げ、読み始めた。
「愛するクララへ
もしあなたがこれを読んでいるなら、私はもうこの世にいないということ。何が私を連れ去ったのかはわからないけれど、ベラの面倒を見てくれるとあなたを信頼できることは知っています。あなたはいつも私の支えであり、安全な場所でした。そして今、彼女にとってそうなってほしいのです。彼女は自分が思っている以上に強いけれど、彼女を導き、一人ではないと思い出させてくれる誰かが必要です。
彼女をあなたに託すのは、それが便利だからではなく、あなたが私と同じように彼女を激しく愛してくれることを知っているからです。どうか彼女が心を閉ざさないようにしてください。最も暗い時でさえ、世界はまだ美しさに満ちていることを彼女に示してください。
すべての愛を込めて、
アリッサ」
読み終えると、涙で視界がぼやけた。母の言葉が波のように私を襲い、クララへの彼女の信頼と私への揺るぎない信念が、悲しみの霧を切り裂いた。
目を拭いて手紙を慎重に折りたたみ、箱に戻した。母の声が頭の中で響いた。「彼女は私と同じように激しくベラを愛するでしょう」
それはどういう意味だったのだろう?私が知らないことを彼女は知っていたのだろうか?
家に戻ると、再び静まり返っていた。クララのオフィスのドアはまだ閉まっていたが、もうこれ以上物事を未解決のままにしておくことはできなかった。軽くノックしたが、返事がなかったので、ドアを開けた。
クララは机から顔を上げ、驚いた様子だった。「ベラ、今ちょっと忙しいんだけど—」
「庭で何か見つけたの」私は遮って、錫の箱を掲げた。彼女の表情が変わり、それを認識すると彼女の視線が柔らかくなった。
「どこで見つけたの?」彼女は立ち上がり、私に向かって歩いてきた。
「バラの茂みの近くで」私は内なる感情の嵐にもかかわらず、落ち着いた声で答えた。「手紙よ。ママからの」
クララは立ち止まり、彼女の目が私の目と合った。「アリッサから?」
私はうなずき、彼女に箱を差し出した。彼女は少しためらってから箱を受け取り、蓋を開ける時、彼女の手は少し震えていた。
彼女が手紙を広げ、見慣れた筆跡を目で追うのを見つめていた。彼女の唇が開き、読みながら彼女の息が詰まった。読み終わる頃には、涙が彼女の顔を流れ落ちていた。
「ママはあなたを信頼していたのね」私は沈黙を破った。「あなたが私の面倒を見てくれると信じていた。そして私は思うの、クララ、あなたはそうしてくれたって。あなたが思っている以上に」
クララは顔を拭きながら、まだ手紙を持っていた。「十分なことができたかわからない」彼女は認め、声はかすかな囁きだった。「頑張ったけど、アリッサにも、あなたにも失望させているような気がするの」
「あなたは私を失望させていない」私はしっかりと言い、一歩近づいた。「あなたは私をつなぎとめている唯一のものよ」
クララは私を見つめ、彼女の茶色の目は罪悪感と憧れが入り混じっていた。「あなたが必要としているものになれるかどうかわからないわ」
「あなたはもうなっているわ」私は静かに言った。
しばらくの間、私たちは動かなかった。私たちの間の空気は重く、言葉にされていないが否定できない何かを帯びていた。
「私も彼女が恋しいわ」クララはついに震える声で言った。「毎日毎日」
「わかるわ」私は答えた。「でも彼女はもうここにいない。そして私たちはここにいる」
クララの目は少し大きく見開き、私が何を暗示しているのかわからないようだった。「ベラ...」
「これがママの望んだことだとは言わないわ」私は声を落ち着かせて続けた。「でも彼女は私たちを信じていた。あなたを。そしてたぶん...たぶんそれで十分なの」
沈黙が戻り、私の言葉の重みが空中に漂っていた。クララは何かと格闘しているようで、手紙を錨のようにしっかりと握りしめていた。
「時間が必要なの」彼女はついに、ほとんど聞こえないほどの声で言った。
私はうなずき、彼女に空間を与えるために一歩下がった。「必要なだけ時間をかけて」私はそう言ったが、待つという考えに心が痛んだ。
クララはうなずいて答え、彼女の表情は複雑だが少し柔らかくなっていた。私は部屋を出て、同時に軽くもあり重くもある気持ちになった。
その夜、ベッドに横たわりながら、母の手紙について考えた。クララへの彼女の信頼、彼女が私を母と同じように激しく愛するだろうという彼女の信念。それがどんな種類の愛なのかまだわからなかったが、クララが思っているほど不可能なことではないかもしれないと信じ始めていた。
何週間ぶりかで、私は希望の光を抱いて眠りについた。
鋭い音で目が覚めた。それがドアベルの音だと気づくまでに少し時間がかかった。ベッドサイドの時計を見た。ほぼ真夜中だった。
起き上がると、心臓が早鐘を打った。この時間に誰が来るというのだろう?急いで階下に降りると、足音が静かな家に響いた。クララはすでに廊下にいて、ドアに近づきながら困惑し警戒した表情をしていた。
「誰かしら?」私は、まだ眠りの名残がある声で尋ねた。
クララは私に素早い視線を投げかけてからドアのロックを外し、少しだけ開けた。彼女の姿勢は緊張し、何が起こっても対応できるように準備しているようだった。
しかし、ドアの向こう側にいた人物に、私は何の準備もできていなかった。
「リチャード?」私の声は信じられないという囁きになった。
元彼が玄関先に立っていた。濡れたジャケットから雨が滴り落ちていた。彼の髪は乱れ、顔には決意に満ちた表情があったが、それはほとんど必死さを帯びているようにも見えた。
「ベラ」彼は声をしっかりさせたが、何か切迫したものが混じっていた。「話をする必要がある」
ショックで体が麻痺し、彼を見つめながら私の手は少し震えていた。
クララは私の隣で静止したまま、リチャードと私の間で視線を移動させ、緊張感は時間の経過とともに高まっていった。
「なぜここに来たの?」ようやく私は尋ねたが、声は期待していたよりも弱かった。
リチャードは一歩前に出て、彼の目は私の目に固定されていた。「僕は間違いを犯した。大きな間違いを。そしてそれを修正するまで帰るつもりはない」
息が詰まった。彼の言葉の重みが私の上に覆いかぶさり、クララは黙ったまま、何とも言えない感情の影が彼女の顔をよぎった。