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第45話

彼の名前を言った瞬間、私たちの周りの空気が変わった。クララが私の隣で緊張し、私の手をきつく握りしめたが、私の視線は通りの向こうの人影に釘付けになっていた。

レオ。

何年も彼に会っていなかった。私の人生がすべて混沌に陥る前から。そして今、彼はそこに立ち、影の中から、まるで私が幽霊であるかのように見上げていた。

「レオって誰なの?」クララが鋭い声で繰り返し、私を現実に引き戻した。

私は喉の渇きを感じながら唾を飲み込んだ。「彼は…私の過去の人よ」

クララの目は私と下にいる男の間を行き来した。「なぜ彼はまるで幽霊でも見たような顔をしているの?」

私が死んでいるはずだからよ。

レオは一歩前...