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チャプター 77

ノクティス・ドミニアの壮大な門が前方にそびえ立ち、ディミトリとローナンは霧に覆われた首都へと続く道を進んでいた。都は柔らかな光に包まれ、ゴシック様式の尖塔が暗い空へと伸び、吸血鬼による支配の永遠の象徴となっていた。

公爵の屋敷を発ってから二日が経過していた。二日間の旅路、ローナンに無理をさせないよう慎重に見守り続けた二日間。旅は疲労困憊させるものだったが、ディミトリは安堵を感じることを自らに許さなかった。

答えを得るまでは。

宮殿の壮麗な入口に到着すると、一列に並んだ衛兵たちが深々と頭を下げ、王配と王子を中へと招き入れたが、その表情は読み取れなかった。

城内の空気は常よりも重く感じられ...