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第七十一章

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公爵の執務室の重厚な樫の扉が、ディミトリがエイロック公爵の向かいの席に着くと同時に、鈍い音を立てて閉まった。室内は薄暗く、書棚に並べられた蝋燭の揺らめく光だけが辺りを照らしている。巻物、地図、そして条約の数々が、二人の間にある磨き上げられた木製のテーブルの上に乱雑に広げられ、古い羊皮紙の匂いが、空気中に微かに漂う血の痕跡と混じり合っていた。

ディミトリはいつものように落ち着き払い、膝の上で手を組み、その空色の瞳を公爵に据えた。「エイロック卿、時間を無駄にするのはよしましょう」滑らかで、威厳のある口調で彼が言った。「あなたの領地の安定について話し合うために、この会談を要請されたは...