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チャプター 52

ローナンの喘ぎは浅く、乱れていた。その体はディミトリの動きと同期し、意識が相反する感情の嵐に囚われ、どこか別の場所へと渦巻いていくなかでも、一つ一つの動きが彼を現在に繋ぎ止めるリズムそのものだった。動きに合わせてベッドがきしみ、その瞬間の激しさとは対照的な静かな音を立てていた。

ディミトリの突き上げは深く、慎重で、その一つ一つがローナンを圧倒的でありながらも痛切なほどの親密さで満たしていく。その太い楔が彼を引き伸ばし、所有と畏敬の念が入り混じったような形で彼を我が物としていく。ローナンは、まるでディミトリが触覚だけで自分の体の地図を描いているかのように、その隅々まで感じ取ることができた。

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