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チャプター 46

ディミトリはローナンの私室へと足を踏み入れ、背後で扉を閉めた。蝋燭の灯が揺らめき、床に長く揺れる影を落としていた。ディミトリの視線はすぐに、寝台のそばに立ち、深緑色のチュニックの留め金を締めているローナンに向けられた。

その布地は彼の引き締まった体にまとわりつき、ゆったりとした襞が、彼の中で育ちつつある生命の気配を巧みに隠していた。素人目には、ローナンは依然として獰猛な狼人間の王子――肩幅が広く、鋭い目つきの、不屈の男に見えた。たとえ誰かが疑ったとしても、信じはしないだろう……

ケイルでさえも。

だが、父親の名を思うだけで、ローナンの背筋に声にならない、しかし常に存在する戦慄が走った。

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