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チャプター 4

王宮の空気は期待感で張り詰めていた。カエルが大広間に入ってきたとき、その足音は目的意識を帯びて響き渡り、子供たち、ローナン王子とセレーネ王女が待つ部屋へと近づいていった。世界の重みが彼にのしかかっているかのようであり、この会話が彼らの人生の行方を変えるであろうことを、カエルは理解していた。

ローナンは暖炉のそばに立ち、炎を見つめるその金色の瞳は柔らかく輝いていた。火の光が彼の部族的な刺青を照らし出し、その強くしなやかな体躯には静かな力が秘められていた。セレーネは、常に落ち着き払った威厳ある王女らしく、テーブルの端に座り、その表情は穏やかでありながら読み取れなかった。プラチナブロンドの髪が薄暗い光の中で揺らめき、その褐色の瞳は尊敬と静かな期待の入り混じった眼差しで父を見つめていた。

カエルは彼らの前に立ち、その眼差しは鋭く真っ直ぐだった。「ローナン、セレーネ」と彼は口火を切り、その声には王としての重みがこもっていた。「我々の未来だけでなく、全ての人狼の未来に関わる、対処すべき重大な問題がある」

ローナンの姿勢が硬直し、好奇心に瞳を細めた。「何です、父上?」

カエルは深く息を吸い込み、声を低めた。「人間どもが吸血鬼どもに戦争を仕掛けている。奴らは狩り立てられ、絶滅寸前に追いやられている。だが、最悪の事態はこれからだと私は信じている。人間どもが吸血鬼を片付ければ、次に我々に目を向けるだろう。我々は安全ではないのだ」

セレーネは目を細めた。「それに対してどうなさるおつもりですか? 吸血鬼は常に我々の敵でした。彼らは血に飢えた、自分たち以外には何の忠誠心も持たない生き物ですわ」

カエルの表情は硬くなったが、冷静さを保っていた。「娘よ、そなたの軽蔑は理解できる。だが、これはもはや忠誠心の問題ではない――生存の問題なのだ。今行動しなければ、吸血鬼どもと同盟を結ばなければ、我々も奴らと同じように滅びるだろう。人間どもは我々の存在を知れば、ためらうことなく我々を狩り立てるはずだ」

ローナンの顎が食いしばられ、両の拳が固く握られた。「吸血鬼どもと同盟を結べと? 何世紀にもわたって我々が戦ってきたあの怪物どもと肩を並べろと? そのような同盟に屈するつもりはありません!」

カエルの視線が息子に向けられ、その声は落ち着いていながらも強い調子だった。「ローナン、これは屈するかどうかの問題ではない。生存の問題なのだ。人間どもは容赦なく、最後の一匹の超常的存在を抹殺するまで止まらないだろう。吸血鬼どもが我々の唯一の機会だ。共に戦わなければ、我々は一人ずつ倒されていくことになる」

「父上は生存とおっしゃるが」ローナンは唸り、怒りが表面下で煮えたぎるにつれて爪がわずかに伸びた。「ですが尊厳は? 我々は誇りを犠牲にしてまで、敵の足元に這いつくばるというのですか?」

カエルの声は穏やかだったが、その奥には鋼のような強さがあった。「ローナン、これは誇りの問題ではない。我々の民が次の世代を見られるようにするためのものだ。誇りは人間どもの武器から我々を守ってはくれぬ」

「ならば私に戦士たちを率いさせてください!」ローナンは父に一歩近づき、鋭く言った。「牙と爪で、敵が我々の前に倒れるまで戦いましょう。あの蛭どもに頭など下げるものか!」

「そして、我が息子よ、そなたは我々の民を何人埋葬するつもりだ?」カエルの声は低く、刃のように鋭かった。「そなたの誇りは、同胞の墓に見合う価値があるのか?」

ローナンは父を見つめ、その顔には緊張がありありと見て取れた。長い沈黙の後、彼は口を開いた。その声は柔らかくなっていたが、不承不承ながらも理解の色が満ちていた。「父上、取引とは何です? もし彼らと同盟を結ぶのであれば、我々は何を差し出さねばならないのですか?」

カエルは一歩前に進み、その計画の全容を伝える重みのある眼差しで、二人の目を見据えた。「私は協定を提案する。我々の運命を共に縛る協定だ。彼らの信頼を得るため、セレーネの手を吸血鬼の王子ディミトリに差し出すつもりだ。それによって、我々の群れがこの戦争を生き延びることを確実にできる」

セレーネの目が見開かれ、その表情には衝撃と怒りがよぎった。「わたくしに彼と結婚しろとおっしゃるのですか?」その声は鋭く、不信感に満ちていた。「吸血鬼と? 闇の生き物と? 正気ではありませんわ」

ローナンは妹の方へ一歩踏み出し、その立ち位置を変えた。彼の声は穏やかだが力強かった。「セレーネ、それは狂気ではない。事実だ。人間どもが我々の種族を発見すれば、我々は容赦なく狩り立てられるだろう。吸血鬼は我々の敵かもしれないが、この状況では彼らが唯一の同盟相手だ。力を合わせなければ、我々は皆殺しにされるだろう」

セレーネの顔は不満に歪み、拳を握りしめた。「吸血鬼とは結婚しません。怪物に身を委ねるつもりはありませんわ」

ローナンはため息をつき、その金色の瞳が珍しく理解の色を帯びて和らいだ。「セレーネ、その考えが嫌なのは分かっている。だが、我々の民のことを、我々の群れのことを考えてくれ。これが唯一の方法なのだ。人間どもは何のためらいもない。我々だけでは彼らに立ち向かえない。この協定、この結束が、我々の唯一の希望かもしれないのだ」

兄の言葉を聞くうちに、セレンの胸はきりきりと痛んだ。その言葉の重みが山のように彼女にのしかかり、決意を打ち砕いた。叫びだしたい衝動に駆られた。一族への裏切りとも言えるような提案をした父を、激しく非難したかった。しかし心の奥底では、民の姿が……野原で遊ぶ子狼たち、暖炉のそばで古の物語を語る長老たちの姿が……脳裏をよぎった。彼らには自分が必要なのだ。

カエルは黙って立ち、子供たちのやり取りを見守っていた。払われるであろう代償を思うと、胸が痛んだ。しかし、彼の義務は明白であり、時には大義のために犠牲が必要となることもあった。

セレンは身じろぎもせず立ち尽くし、決断に苦しみながら床に視線を落としていた。長い沈黙の後、彼女はついに諦めたような声で口を開いた。「嫌です。そんな考え、大嫌いです。でも、必要性は理解しています。群れのためなら、やりますわ」

ローナンは妹に厳粛に頷き返した。想像もつかないような決断を前にしても、妹への誇りは明らかだった。「セレン、お前はやるべきことをやるんだ。何があろうと、俺がお前のそばにいる」それから、彼はかすかに口の端を歪めた。沸き立つ怒りの中に、珍しく面白がるような光が差した。「少なくともディミトリは、噂で聞くほど醜い吸血鬼じゃないらしいぜ」低いながらも皮肉なユーモアを滲ませた声で言った。

セレンは彼を睨みつけた。拳はまだ体の脇で固く握りしめられていた。「あら、素晴らしいわね、ローナン。王国で一番見栄えのする化け物との結婚を取り決めてくれた父上に感謝すべきかしら」

「ただ言ってみただけだ」ローナンは肩をかすかにすくめ、妹を慰めるように答えた。「お前なら、うまくやれるさ」

カエルの鋭い視線が二人を黙らせたが、その顔にはいら立ちの色がかすかに浮かんだ。「ローナン、冗談を言っている場合ではない」

「すみません、父上」ローナンは小声で呟いた。

カエルはため息をつき、肩の力がわずかに抜けるのを感じたが、その瞳には依然としてこれから起こることの重みが宿っていた。「では、決まりだ。この申し出をもってセラフィナ女王に接触し、我々の生存を確実にするための盟約を結ぶ」

部屋が静まり返ると、カエルは誇りと悲しみの入り混じった表情で子供たちを見つめた。彼らは困難な決断を下した。それは民の未来を形作るものだった。戦争を前にして、彼らは生き残ることを選んだ。たとえそれが古くからの敵と手を組むことを意味するとしても。彼の視線はセレンにもう少し長く留まり、事態の重みが骨の髄まで染み渡るようだった。やがて時が経てば、彼らも自分たちが下した選択の重大さを理解するだろうと、カエルは分かっていた。

しかし、部屋を出て行き、その足音が廊下に響き渡る中、この盟約がもたらす結果が彼らの人生の行方を永遠に変えてしまうだろうという予感を、彼は振り払うことができなかった。

* * *

一方、セレンは自室に駆け込み、心の中は相反する感情の嵐が吹き荒れていた。父の言葉の重みが、まだ胸に重くのしかかっていた。『吸血鬼と結婚ですって?』その考え自体が、これまで信じるよう教えられてきたすべてへの裏切りだった。吸血鬼の王子ディミトリとの結婚は、自らが選んだことのない運命に縛り付ける鎖のように感じられた。彼女は拳を握りしめ、叫びだしたい衝動、眼前に示された道を拒絶したい衝動と戦った。

窓辺へ移動し、かつて自由を象徴していた広大な月明かりの地を見つめながら、拳を固く握りしめた。『逃げ出せるかしら? 駆け落ちできるかしら?』その考えは、はかなく愚かしいものであったが、それでも心の中で燃え続けていた。姿を消し、夜の闇に紛れることもできる……しかし、どこへ行けばいいというのだろう? そして、民を見捨てたことによる結果から逃れることができるのだろうか?

ドアをノックする音が、彼女を思考から引き戻した。

「セレン?」ローナンの力強く落ち着いた声が部屋に響いた。「入ってもいいか?」

彼女はすぐには答えなかったが、ドアがきしんで開くと、ローナンが中へ入ってきた。長身の堂々とした彼の姿が戸口を塞ぎ、その金色の瞳には心配の色が優しく浮かんでいた。彼は背後でドアを閉めた。彼の存在は、彼女の感情の嵐の中で、確かな支えとなった。

「悩んでいるのは分かっている」低いながらも安心させるような声で彼は言った。「だが、お前は一人じゃない」

セレンは彼の方を向き直った。その瞳はいら立ちに満ちていた。「こんなこと、頼んだ覚えはないわ、ローナン。まるでゲームの駒みたいに、私は取引の材料にされるのよ」

年上で賢明なローナンは、彼女の言葉を咎めなかった。その代わりに、彼は静かな強さをもって彼女に近づき、穏やかだが毅然とした口調で言った。「妹よ、お前の怒りは理解できる。だが、我々は皆、義務に縛られているのだ。この結婚は裏切りではない。必要なことなのだ。我々の民が生き残るためには、吸血鬼と手を結ばねばならない」

彼女は首を横に振った。声はかろうじて囁く程度だった。「この結婚で、自分を見失ってしまいそうで怖いわ」

ローナンの眼差しが和らぎ、彼の手がそっと彼女の肩に置かれた。「自分を見失うことなどないさ、セレン。お前は強い。そして、この件では俺がお前のそばにいる。いつものように、共に耐え抜こう」

彼の言葉の重みに胸が痛んだが、彼女は諦めたように頷いた。「私に求められることをします。群れのために」

ローナンは厳粛に頷き返した。妹への誇りは言葉には出さずとも明らかだった。「そして、何があろうと、俺はお前のそばにいる」

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