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チャプター 3

サイナスは長いオーク材のテーブルの長に座り、眼前に集う評議会の面々を見渡していた。広間は静まり返っていたが、落ち着きのない貴族たちのざわめきだけが聞こえてくる。彼らは人間界で起こりつつある出来事について、熱を帯びて議論を交わしていた。その場の重圧がサイナスの肩にのしかかる。彼の心は鋭敏であったが、同時に、事の重大さを知るがゆえの重荷を背負っていた。

「人間どもは、いつものように行動している」最初に口を開いたのはオーリン卿だった。その声には侮蔑の色が滲んでいた。彼は群れの中でも最古参の貴族の一人で、数十年にわたる戦いで尊敬を勝ち得てきた戦士だったが、必ずしも同意を得ているわけではなかった。「奴らに吸血鬼との戦争をさせておけばよい。吸血鬼どもは長らく我々の種族にとって脅威であったのだから、奴らの破滅など我々には関係ない。なぜ我々が奴らの苦しみに手を差し伸べねばならんのだ? 我々には守るべき自分たちの王国がある」

賛同のささやきが部屋に広がった。サイナスの目がわずかに細められたが、彼は何も言わず、声に耳を傾けた。

「我が君」マキナ夫人が割って入った。その声は冷静で、銀色の髪が月の光の滝のように肩にかかっていた。「オーリン卿に同意せざるを得ません。吸血鬼は我々の手の届かぬ存在です。人間どもが思うままに彼らを排除すればよいのです。我々は中立を保たねばなりません。さもなくば、我々の種族に望まぬ注目を集める危険があります。我々の強みは、吸血鬼どもが燃え尽きる間、見られず、気づかれずにいる能力にあるのです」

サイナスの視線が厳しくなると、空気にかすかな変化が生じた。これらの声は、善意からのものではあっても、近視眼的な考えに根差していた。

彼が返答する前に、より柔らかな、しかし長年の知恵を湛えた声が割って入った。

「オーリン卿、マキナ夫人」タレン長老の声だった。彼の古びた目は、静かな権威をもって二人を見据えていた。「あなた方は今現在の世界を見ておられるが、我々は未来の影も見なければならない」

評議会は静まり返り、すべての目が長老に向けられた。彼の言葉には常に重みがあり、サイナスはタレンが口を開いた瞬間、議論の方向が変わることを知っていた。

「これは単なる助言者としてではなく、数え切れぬ季節の移り変わりを見てきた者として申し上げる」タレンは続けた。その声は、木々を揺らす風のように穏やかだった。「人間どもは今、吸血鬼に目を向けているかもしれぬが、我々は安全な傍観者ではない。もし人間どもが吸血鬼の根絶に成功し――もし彼らが本当に吸血鬼をこの世から消し去ったならば――彼らはそれで止まったりはしないだろう。次に我々のところへ来る。闇を歩むすべての者のところへ来るのだ。そして、人狼も例外ではない」

不安のさざ波が部屋を駆け抜けた。何人かは落ち着かない視線を交わしたが、誰も口を開かなかった。タレンには、聞きたくあろうとなかろうと、自分の言葉を感じさせる術があった。

「我が言葉を心に刻まれよ」タレンの声が、より確固たるものになった。「我々は傍観していてはならぬ。沈黙を守ることは、自らの破滅を招くことだ。吸血鬼がいなくなれば、我々が平和に暮らせると信じるのは愚行であろう。人間どもは、彼らの種族の最後の一人まで狩り尽くすことを示してきた。そして、我々が影の中で過ごす時間も、間もなく終わりを告げるかもしれぬ」

サイナスは身を乗り出し、その姿勢は注目を集めた。「では、長老、何を提案される?」

タレンの目はサイナスの目と交わり、幾世紀もの重みが二人にかかっていた。「人間どもが我々に怒りを向ける前に、我々は行動を起こさねばなりません。吸血鬼に協定を、拘束力のある合意を申し出るのです。生存のための絆を。我々を同盟者として、彼らに耐え忍び、反撃する機会を提供するのです」

広間は息をのんだ。何人かはまだ懐疑的だったが、他の者たちはサイナスに注目し、彼の判断を待っていた。

タレンの声が低くなり、まるで秘密を打ち明けるかのようだった。「我々は、彼らにあなたの娘君、王女を差し出さねばなりません。我々の同盟の象徴として、彼女の結婚を。それが我々の未来を確保する唯一の方法です。もし吸血鬼が倒れれば、我々は人間どものリストの次になるでしょう。しかし、もし我々が団結し、双方の力が絡み合えば、彼らは我々を放っておくしかなくなるでしょう。最も強力な二つの種族が一つになれば、人間どもは我々に挑もうとはしないでしょう」

その後に続いた沈黙は重かった。サイナスの視線は揺るがず、彼の思考は内なる激しい嵐のようだった。彼はタレンが真実を語っていることを知っていた。彼らの血統間の結婚同盟は強力な武器となるだろう。しかし、その代償は計り知れない。彼の娘の手は、軽々しく与えられる贈り物ではなかった。

「王女を、か」サイナスはつぶやいた。その声には決断の重みが込められていた。「私のたった一人の娘の手を求めるのか。彼女はまだ若く、政治の世界とは無縁だ。彼女には……そのような縁組の全容を理解することは……できぬだろう」

タレンは恭しく頭を垂れた。「王よ、これを単なる婚姻とお考えにならぬようお願い申し上げます。これは束縛力ある盟約。生存の約束にございます。民の命、王国そのものが、これにかかっているのでございます。ヴァンパイアは我々の敵かもしれませんが、今や同盟者。彼らの王子はこの縁組の賢明さを理解するでありましょう。そして、あなた方同様、彼自身の生存のためにも、これを受け入れるはずです」

評議室が静まり返ると、冷たく、侮蔑に満ちた声が沈黙を破った。「それで、我々が提示するいかなる盟約も、ヴァンパイアが遵守すると信じる根拠は何だ?」ヴェイリオン長老が席から立ち上がった。その白髪交じりの体躯は憤りにこわばっている。言葉に毒を含ませて続けた。「ヴァンパイアが何であるか、我々は皆承知している――欺瞞と利己主義の種族だ。自らの渇望以外、何ものも顧みぬ。そして、その王子とやらも?例外ではあるまい」

タレンは眉をひそめたが、何も言わず、ヴェイリオンが激しい非難を続けるに任せた。「ディミトリ王子」ヴェイリオンは呪詛のようにその名を吐き捨てた。「残虐さで知られた男だ。死を与える前に獲物をいたぶり、恐怖に歪む顔を見て楽しむという。敬意ではなく、恐怖と流血によって支配しておる。そのような輩が我々との盟約を守ると、本気でお信じか?」

もう一人の長老、レディ・ミルニスが同意して頷いた。その声は短剣のように鋭く的確で、部屋を切り裂いた。「王子の傲慢さは悪名高い。あらゆる生き物、他のヴァンパイアすらも見下している。ワーウルフへの侮蔑は周知の事実。我々を、都合の良い時に淘汰される獣程度にしか見ていない者に、頭を下げろと申すのか?」

三番目の反対意見が、深く響き渡る声で加わった。ガリック卿が身を乗り出し、その表情には険しい決意が浮かんでいた。「これは我々の戦いではない。彼らの血の確執に巻き込まれれば、我々の民を壊滅させかねない戦争に引きずり込まれる危険を冒すことになる。奴らには自滅させればよいのだ」

ケイルは沈黙を守り、その手は玉座の肘掛けに置かれ、金色の瞳は感情を読み取らせなかった。評議室は同意のざわめきに満ち、一つ一つの声が反対意見の重みを増していった。しかし、タレンは冷静沈着に、再び立ち上がった。

「皆様はディミトリ王子があたかも唯一の決定要因であるかのようにお話しになる」タレンの声は、注目を集めるのに十分なほどに高められた。「確かに、彼は冷酷です。確かに、彼は傲慢です。しかし、それこそが、力によって結ばれた盟約を彼が重んじる理由なのです。人間が我々を違うように見るとでもお思いか?人間はすでにヴァンパイアを狩っています。彼らが根絶やしにされた後、本当に人間がワーウルフに……我々に注意を向けないと信じているのですか?」

タレンの言葉が浸透するにつれ、重い沈黙が部屋を覆った。彼は一歩前に進み出て、その声は落ち着き、確固たるものだった。「我々が次になることを許すわけにはいきません。何もせず傍観していれば、我々も同じ運命を辿ることになる。ヴァンパイアとの盟約は弱さの表れではない。生存のための戦略なのです」

彼はケイルに向き直り、その表情に揺るぎはなかった。「そして、そのような盟約を結ぶのに、王女ご自身以上に適任な方がおられましょうか?血と力の結合。最も傲慢なヴァンパイアでさえ、我々を裏切る前に二の足を踏ませるような。ディミトリ王子は残酷かもしれませんが、愚か者ではございません。そのような同盟が彼自身の立場を強化することを知っているはずです」

ケイルの視線が揺らいだが、何も言わなかった。部屋は固唾を飲んで王の返答を待った。

ケイルの心臓は胸の中で激しく高鳴っていた。それは大胆な提案であり、すべてを変えるものだった。だが、タレンは正しかった。ヴァンパイアは、ワーウルフ同様、あまりにも長い間、影に隠れてきた。彼らは狩られ、そして今や人間は大胆になっていた。迅速に行動しなければ、自分たちが次になるかもしれないのだ。

ケイルの声は低く、慎重だった。ようやく彼が口を開いた。「王女の縁談を申し出る。そして、ヴァンパイアと盟約を結ぶ。彼らが生きるならば、我々も生きねばならぬ。彼らが戦うならば、我々も共に戦う。我々は人類の血への渇望の、次の標的とはならぬ」

同意のざわめきが評議会に広がった。一部には不承不承の者もいたが、王の決定が最終的なものであることは承知していた。

「盟約は結ばれた」ケイルの声に揺るぎはなかった。

かくして、決定は下された。ワーウルフ、ヴァンパイア、そして人間の領域の運命は、今や一つの縁組の天秤にかかることになった。王女の手が差し出され、それと共に、生存の炎の中で鍛えられた同盟が結ばれるのだ。

しかし、ヴァンパイアの王子がそれを受け入れるかどうかは、まだ誰にも分からなかった。

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