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チャプター 29

数分が過ぎた。そして一時間。

やがて、ついに天幕の外から慌ただしい足音が聞こえてきた。垂れ布が押し開けられ、アルレナが中に通された。顔は青ざめ、警戒の色を浮かべていた。

ローナンは硬直して立っており、その金色の瞳は辛うじて抑えられた怒りに燃え、手には握りしめられた手紙――治癒師の所見を裏付ける伝令の報告書――が握られていた。

彼は座ろうともせず、挨拶もしなかった。二人の間の沈黙は重苦しく張り詰め、彼が手紙を掲げると、低い唸り声で言った。「説明しろ」

アルレナは息を呑み、彼の視線の重圧の下で肩をまっすぐに伸ばした。「殿下、検査は二度行いました。間違いありません。あなたは――」

「やめ...