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チャプター 26

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アルレナは静かな優雅さで入ってきた。テントの入り口を背にそのシルエットが束の間浮かび上がり、彼女は中へと滑り込む。その両手には、神聖な務めに使う道具が大事そうに抱えられていた。彼女のまとうローブには銀糸が織り込まれ、月光のようにきらめいている。

その手の中には、小さな銀の短剣と水晶の小瓶が輝いていた。その用途は一目瞭然だった。簡易寝台の縁に腰掛けていたロナンは、警戒心をあらわにした表情で彼女を見つめる。その金色の瞳には不安の色が影を落としていた。彼は無意識に手首を指でなぞる。そのためらいがちな仕草が、彼の内に渦巻く...