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第二百五十章

ジェイデンは寮の階段をゆっくりと上った。一歩進むごとに、ポケットの中のポーションが入った小袋がかすかにカチャリと音を立てる。

ドアの前で立ち止まり、一度息を吐き出す。肩から力を抜こうとした。

効果はなかった。

ドアを押し開けると、アラリックが小さなソファの上で胡坐をかいて座っていた。本が巣のように彼の周りに広がっている。

アラリックの視線が、即座にこちらを向いた――鋭く、すべてを見透かすような目だった。

「遅かったな」と、落ち着いた声で彼が言った。

ジェイデンは唸るように返し、背後でドアを蹴り閉めた。「用事があったんだ」

彼はテーブルの上にバッグをゴトッと鈍い音を立てて置いた。

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