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第243章

契約書は、まだジェイデンの指先を焼いているかのような感触を残していた。

会議室を出る間、タレンは一言も発さなかった。彼は教授棟の旧区画へと続く道を進んだ。淡い石とステンドグラスでできた廊下には、色とりどりの光の中で埃が舞っている。ジェイデンのブーツは、憤りを込めた一歩ごとに、古びたタイルをこすった。

銀の印がはめ込まれた重厚なオーク材の扉の前で、二人は立ち止まった。タレンが中央のルーンに手のひらを押し当てると、それは緑色に脈動した。

カチッ。

扉は空気を押し出すかすかな音とともに開いた。

中は、アルコールとハーブ、そして何か金属的な匂いがする、こぢんまりとした殺風景な部屋だった。壁にか...