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チャプター 239

玉座の間の扉が軋みながら開き、松の香りを帯びた冷たい空気が流れ込んできた。

ケイランが先に、堂々と、落ち着き払った足取りで中へ入る。その後ろをイヴァンが続いたが、その全身は抑えきれない苛立ちにこわばり、まるで個人的な侮辱であるかのように、壁の彫刻を忌々しげに一瞥した。

カエルは、黒石と磨かれた鹿角でできた玉座に腰を下ろし、待っていた。二人が入ってきた瞬間から、その視線は彼らに注がれていた――瞬きもせず、値踏みするように。

ケイランは数歩手前で止まり、承認の意を示すように頭を下げた。

「陛下」

カエルはわずかに顎を上げた。「ケイラン。報告せよ」

ケイランの声は平坦だった。「前哨基地の...