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第二十三章

ジェイデンは無言で寮のドアを開けた。

アラリックはソファに座り、脚を組んでいた。片手には本、もう片方の手にはメモ帳がある。ジェイデンが部屋に入ると、アラリックは顔を上げた――赤褐色の瞳は感情を読み取らせず、何も言わなかった。

二人の視線が交錯する。

ほんの一瞬。張り詰めていた。

すぐにジェイデンが視線を逸らした。

彼は静かな音を立てて鞄を床に落とし、靴を脱ぎ捨てると、引き出しから着替えを取り出した。言葉もなく、一瞥もくれず。まるで部屋には湯気と静寂しか存在しないかのように、まっすぐシャワールームへ向かった。

アラリックは後を追わなかった。

水の流れる音。ドアの下から湯気が漏れ出てくる。やがて―...