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第二十五章

静かに寝室のドアを閉めると、イヴァンは机の上に置かれたくしゃくしゃの手紙を、まるで注文する気のないメニューでもあるかのように素通りし、いつもの夜の習慣を再開した。

陶器のクリーム壺に指を二本差し込み、計算された優雅さで頬骨にそれを滑らせる。「それで?」彼は抑揚のない声で言った。「君をわざわざ呼び出すほどの厄介事とは何だ? またどこかの人狼が国境近くで屁でもこいたか?」

腕を組んで立っていたカエランは鼻を鳴らした。「地方の前哨基地での紛争だ。北の谷。土地の権利と聖域を巡ってな。遠吠え合戦で小便を漏らさないような奴を欲しがってる」

イヴァンは顎のラインに沿ってクリームを塗り込んだ。「それで君が選ば...