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チャプター 21

医務室の外にある待合のベンチは冷たかった。

アラリックは両手を膝の上に置き、背筋を伸ばして座っていた。息は穏やかだった――少なくとも外見上は。そこに十五分はいただろうか。あるいはそれ以上かもしれない。

廊下は微かな魔法のざわめきに満ちていた――保存魔法の低い唸りや、時折、通気管を抜けてくる魔力の囁きが聞こえてくる。どこかで看護師が通り過ぎ、リノリウムの床の上で靴がキュッキュッと音を立てた。

やがて、ドアが開いた。

アラリックは顔を上げた。

そして瞬きをした。

医師は名もない医者や大学の治療師ではなかった。ターレン教授だった。変成学の。大学最古参の講師の一人で――魔法使いであり、学者であり、樹皮...