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第二十章

その朝、食堂は静まり返っていた。顧問も、衛兵もいない。巻物と囁き声の背後に潜む評議会の影もない。ただ、オレンジの花の茶が注がれたカラフェ、温かいパン、果物、そして沈黙があるだけだった。

ローナンは暖炉のそばに座っていた。まだ部屋着のままで、髪は半分ほど編み込まれている。彼は柔和に見えた。若々しく。父親だけが持ちうる、あの危ういほどの希望に満ちていた。

ディミトリはテーブルの向かいに、いつものように落ち着き払い、非の打ちどころのない様子で座っていた――黒いコート、白い喉、後ろで束ねられた銀髪。

そして、二人の間には少年が座っていた。

彼らがアラリックと呼ぶ少年だ。

彼もまた銀髪だった。...