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チャプター 191

ハイブリッド寮の塔は、ガラス、石、強化鋼鉄といった、ちぐはぐな建築様式が混じり合った歪な背骨のようにそびえ立っていた。正面玄関の上では、結界の印が弱々しく明滅を繰り返している。アラリックは鍵水晶を手に中へ入ると、五階まで階段を上った。その足音は、かすかに反響した。

5A号室は廊下の突き当たり近くにあった。

彼がドアに水晶を触れさせると、

カチリと音がして開いた。

ワンルームの部屋は広くはなかったが、彼自身のものだった。

隅にはシングルベッドが一つ。鎧戸の閉まった窓の下には、補強された机。魔法ガラスの仕切りの向こうには、半分隠れた簡易キッチン。消臭ベントがあり、ルーンが刻まれた浴室の...