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チャプター 19

瞬く間に、ディミトリはローナンに飛びかかった。捕食者のごとき優雅な動きは霞み、あっという間に二人の距離を詰めた。ディミトリの手が、ローナンの腰を所有欲を剥き出しにして掴んだ。指が人狼の肉に食い込む。それはまるで、肉体を超越した領域を主張するかのようだ。ローナンの身体は本能的に反応し、ディミトリの感触へと弓なりにしなだれかかる。神経という神経が、もっと、と必死に渇望して火照っていた。

吸血鬼の牙が、ローナンの首筋の柔肌を掠めた。それは危険をちらつかせる焦らすような約束。電気的な戦慄が背骨を駆け下り、身体の芯深くに炎を灯す。周囲の森までもが、二人の気配に呼応して脈打っているかのようだった。

「...