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チャプター 189

ディミトリが評議会の間に足を踏み入れると、黒曜石の扉が軋みながら開いた。

ローナンが彼の隣に続いた。高等評議会の吸血鬼たちは全員立ち上がった。それは義務からではなく、敬意の念からであった。

彼らが再び着席しても、緊張が和らぐことはなかった。

ディミトリは三日月形のテーブルに近づき、写真をその中央に置いた。

「これがアラリックだ」と彼は告げた。

視線がその写真に注がれた。そこには銀色の髪、日焼けした肌、そして燃えるような琥珀色の瞳をした少年の隣に、シャーロットが写っていた。

部屋にざわめきが広がり、やがて静まり返った。

オリエナ評議員が身を乗り出した。「彼は……生きているのですか...