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第149章

人間派からの手紙はその朝早くに届いた。中立の使者によって運ばれ、コバルト色の蝋で封印され、銀の文字で縁取られたその手紙には、脅しも隠された棘もなかった。ただ確認事項だけが。

人質は返還される。

ディミトリが帰ってくる。

セラフィナとケイルはノクティス・ドミニアの石造りの廊下を並んで歩いていた。二人の足音が高い天井に柔らかく響き、時折、遠くの衛兵や使用人のささやきが聞こえた。しかし、ほとんどの場合、廊下は静かだった。

「明日ね」とセラフィナは言った。質問ではなく、ため息のように。「彼が明日、帰ってくる」

ケイルは同意して鼻を鳴らし、両手を背中で組んだ。「やっとだな」

二人は東の廊下に...