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第145章

中立地帯の寒さは異質だった——空虚で意図的な冷たさで、まるで世界そのものが息を潜めているかのようだった。

ディミトリは夜明けに人間の宮廷を後にした。彼の言葉は広間の中心に置き去りにされた刃のように、後ろに響き続けていた。彼らには一時間しかなかった。二度目のチャンスはない。国境までの道のりは静かだった——馬の息遣いと外套のこすれる音以外は何も聞こえず、その静けさはどんな戦太鼓よりも厳しく響いた。今、どちらの旗も自由に翻らない争いの地の端で、彼は歴史が瞬きするのを待っていた。

ディミトリは国境線のすぐ向こうで動かずに立っていた。漆黒の鎧を身につけたノクティスの兵士たちと、灰色の毛皮をまとったシ...