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第四十四章

保育室は薄暗く、壁の燭台の柔らかな光とゆりかごの横のろうそくの揺らめきだけが照らしていた。アラリックはようやく落ち着き、小さな体を丸めて眠り、狼の尾が時折、決して覚えることのない夢の中で痙攣していた。

ロナンは窓辺に立ち、木枠に手を軽く置いていた。夜の空気がステンドグラスの継ぎ目から漏れ込み、冷たさと何か重いもの—言葉にならない鋭いもの—を運んでいた。

そして、軽い音がした。

ガラスに対する柔らかな一回のノック、まるで夕暮れに包まれた指の関節のような。彼はゆっくりと窓を開けると、鴉はためらうことなく窓敷居に降り立った。その羽は炎の光の中で油のように輝いていた。黒い紐が足に結ばれていた。

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