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チャプター 14

ディミトリの手は、ローナンの体のあらゆる曲線、あらゆる起伏を記憶に刻みつけるかのように、念入りな遅さでその体をまさぐった。力強いが優しい指先がローナンの筋肉の筋をたどり、薄いチュニック越しに肌の温もりを感じる。彼はローナンをさらに引き寄せ、熱い抱擁の中で二人の体は密着し、彼らの間には言葉にならない欲望が張りつめていた。

ディミトリは深く息を吸い込んだ。ローナンに纏わりつく蠱惑的な香りに五感が圧倒される。

「これほどまでに私を惹きつけるこの香りは、いったい何なのだ?」熱烈なキスの合間に、ビロードのように低く響く声で彼が囁いた。

ローナンは息を呑み、柔らかな呻き声が唇から漏れた。恐怖の最後の...