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第124章

評議会の間は冷え込んでいた。

暖炉の火もなく、金色の旗もない。彫刻された黒曜石の壁が影に包まれるだけだった。光に照らされていたのは戦略テーブルだけで、そこには争われている国境の地図が銀の駒で照らし出されていた。駒の中には焦げ跡のあるものもあった。また、それを動かした者たちの血に染まったものもあった。

ディミトリは指を組み合わせて座り、目の前に散らばる報告書に視線を固定していた。右側にはロナンが黙って座り、その目はいつもより暗く見えた。ケイルは腕を組んで立ち、光が彼の鎧の擦り切れた銀に反射していた。そして部屋の端では、セラフィナが耳を傾けていた。

彼女は長い間、何も言わなかった。

使...