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チャプター 12

将軍の執務室は薄暗い。まるで戦略のための聖域だ。石壁に取り付けられた鉄の燭台から蝋燭の光が揺らめき、室内にうごめく長い影を落としている。それはまるで、この場に漂う緊迫した空気を映し出しているかのようだった。

部屋の中央には巨大な樫のテーブルが置かれ、その使い古された天板には広大な王国の地図が広げられていた。黄ばんで端が丸まった古い地図には、国境、森、そして起こりうる戦場の険しい傷跡を示すインクの線が複雑に描かれている。

ディミトリ王子がその地図を覆うように立ち、鋭い青い瞳が捕食者のごとき獰猛さで輝き、地形を吟味している。その傍らには将軍が控え、不安に引きつった皺深い顔で佇んでいた。

「...