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チャプター 116

夜明けに知らせが届いた。

手紙ではなく。蝋で封をした巻物でもなく。

血まみれの斥候がノクティス・ドミニアの門前で倒れ込み、狼の連れが彼を半ば支え—そして二人目の人物が、足枷をはめられ、頭巾を被せられ、二人の衛兵に引きずられて後に続いていた。

斥候は一人ではなかった。

門が軋みながら開くと、衛兵の一人が助けを求めて叫んだ。「シルバーワイルズの者だ!治療師を呼べ—今すぐに!」

ローナンは赤ん坊のアラリックを胸に抱き、その落ち着きのなさをなだめようと北の回廊を歩いていたとき、その匂いに気づいた。

煙。焦げた髪。銅の匂い。

彼の息が止まった。

門に着いたとき、狼は意識を失った斥候の周り...