敵との一夜

第70章:未来についての議論

「エリーズ視点」

その会話の記憶が胸に再び沈み込み、不安が再び募っていくのを感じる。水をゆっくりと一口飲むけれど、その冷たさも激しく鼓動する心臓を落ち着かせるには十分ではない。まだ言わなければならないことがたくさんあるのに、今までになく、どうしても口に出せない何かが舌先にひっかかっているような感覚がある。ずっと押し殺してきた言葉、声に出すのが不可能に思える真実—もしかしたら、今こそそれを打ち明ける時なのかもしれない。

でもカムを見ると、私は躊躇してしまう。彼は私の隣に座り、とても落ち着いて、冷静そうに見えるけれど、その目は本心を隠せていない。そこには何か、無視できない脆さがある。もしかし...