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第6話

エリーゼの視点

私は朦朧とした頭で目を覚ました。その日の出来事の記憶が、まるで巨石のように私を押しつぶしていた。頭はかすかに痛み、体は絞られたかのようにだるかった。起き上がって部屋を見回すと、彼の香りがまだ漂っていた。温かくムスクのような香り。私がしてしまったこと、抵抗すべきだったことの絶え間ない思い出。

汗と後悔で湿った髪をかき上げ、立ち上がった。バスルームに向かう足元はふらついていた。熱いシャワー——それが必要だった。頭をすっきりさせ、第二の皮膚のように私にまとわりついた罪悪感を洗い流せるかもしれない。

バスルームの光は厳しく、蛍光灯の容赦ない明るさだった。鏡に映る自分の姿を一瞥した...