敵との一夜

第42話

エリーゼの視点

私の心臓が肋骨に激しく打ち付け、カイルが話し続ける間、一拍一拍が大きく不安定に鳴り響く。彼はまるで何気ない会話をしているかのように、私の動揺を完全に無視して、冷静で落ち着いた声で話し続けている。でも、彼の言葉は私の顔に熱を走らせる。

ああ...神様...

「一晩泊まっただけじゃなくて」とカイルは躊躇いのない口調で言う。「あの小さなベッドでエリーゼの隣で寝なきゃいけなかったんだ。ソファは小さすぎて、俺はほとんど入りきらなかった」

私は鋭く息を吸い込み、体全体が硬直する。突然部屋が狭く感じ、空気が重く感じられる。キャメロンを見ると、彼の表情が暗くなり、唇を一文字に引き締めて...