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第41話

エリーゼの視点

目が覚めて最初に感じたのは温もりだった。見慣れないけれど心地よい、静かな抱擁のように私を包み込む温かさ。瞼を開けると、一瞬、自分がどこにいるのか思い出せなかった。病室、下に敷かれた固いマットレス—どれも本来感じるはずの冷たさがない。

そして、理由に気づいた。

カイル。

私は彼を起こさないように気をつけながら、少し頭を動かした。すると息が詰まった。彼はまだ眠っていて、その顔は私のすぐ近くにあった。濃い睫毛が肌に影を落とし、柔らかく少し開いた唇は誘惑的すぎるほどだった。こんな風に静かで無防備な彼の姿には、私の内側の奥深くを揺さぶる何かがあった。

私は喉を鳴らし、視線を他の...