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第35話

カイルの視点

僕はエリーゼの部屋から出て、ローンに電話をかけていた。今夜はエリーゼの看病をするために病院に泊まる予定だから、家には帰らないと伝えるためだ。

カフェテリアが閉まる前に軽く食事を取りに行ったんだけど、エリーゼの部屋に戻ってみると…部屋は空っぽだった。

空のベッドと点滴スタンドだけが残されているのを見て、パニックが襲ってきた。心配になって周りを見回し始め、もちろん最初に思いついたのは、トイレにいるかもしれないと確認することだった。

でも、僕がしてしまった唯一の間違いは、ノックもせずにドアを開けてしまったことだった。

僕はドア枠のところで立ち尽くし、心臓が激しく鼓動する中、そ...