敵との一夜

第33話

エリーゼの視点

ベッドに落ち着こうとしたけど、どうしても無理だった。病室の消毒臭と機械の絶え間ない音が誰でも落ち着かなくさせるのに十分だったけど、私を目覚めさせていたのはただの環境だけじゃなかった。カイルのせいだった。彼はベッドの横の椅子に座り、その存在があまりにも近く、あまりにも強烈だった。彼が私を見つめる視線は、まるで私から目を離せないかのようで、状況をさらに悪化させるだけだった。

横向きになって背中を彼に向け、暗闇が少しでも心の平穏をもたらしてくれることを願ったけど、無駄だった。頭の中は考えが駆け巡って止まらなかった。ベッドが動くたびに彼の存在をより強く感じ、彼の呼吸は...あまり...