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第31話

エリーゼの視点

またドアが開く音が聞こえた時、何が起こるのか分からなかった。でもカイルが片手にひまわりの花束を持って立っているのを見た瞬間、思わず口元が緩んでしまった。彼がそこに立っている様子には何か特別なものがあった——カジュアルでありながらも集中した佇まい——それが無機質で静かな病室をほんの少し明るくしてくれるような気がした。

私は自分が失っていたと気づかなかった興奮の火花を感じた。奇妙な温かさを感じたのだ。キャメロンがずっと私のそばにいてくれたというのに、そんな風に感じるべきではないことは分かっていた。でもカイルがその明るいひまわりを手に持って部屋に入ってくると、彼がそこに立っている...