敵との一夜

第21話

エリーズの視点

カイルの足音が廊下に響き、彼は私の後をついてきたが、私は立ち止まろうとしなかった。頭は痛み、胸の中では欲求不満、混乱、そして信じられない気持ちが渦巻いていた。

「エリーズ」と彼は呼びかけた。その声はイライラするほど落ち着いていた。「ちょっと止まってくれないか？」

私はかかとを軸に回転し、ガラスも切れそうな鋭い視線で彼を見つめた。「これは何なの、カイル？私をからかうための何かねじれた計画？楽しんでる？」

彼は眉を上げ、そして私の完全な苛立ちを誘うように、笑った。笑ったのだ。

「本気で僕がこれ全部計画したと思ってるの？」彼は頭を振りながら、あの腹立たしい笑みを顔に浮かべて...