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第12話

エリーゼの視点

薄いカーテン越しに朝の光が差し込み、部屋に柔らかな金色と桃色の色合いを映し出していた。私の目がゆっくりと開くと、腰に緩くかけられたカイルの腕の温もりが私をこの瞬間に引き留めていた。エアコンのかすかな音以外に聞こえるのは、彼の遅く規則正しい呼吸だけ。しばらくの間、私はそのままの状態で静けさに浸っていたが、昨夜の現実が招かれざる侵入者のように私の思考に忍び寄ってきた。

現実が徐々に理解できるにつれ、私の心は麻痺していった。その瞬間...私は自分が世界で最低の人間だと感じた。でも昨夜のことはもう終わってしまった。それを元に戻すことはできない...でも、これからのことは変えられる。...