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第37話
軽装を上着とジャケットに着替えた僕は、部屋に一人残したケンジに別れを告げずに出ていった。屋敷を出て、賑やかな街を車で走り抜け、マティアスの家へ向かった。彼がまだ起きていることを願いながら。ロフトに入ると、マティアスはゴールデンライトをつけたまま眠っていた。
ジャケットを脱ぎ、ベッドの端に座りながら明かりを消した。マティアスは動かず、僕は横になって彼の温もりと独特の香りを感じた。彼の背中に唇を触れ、首にキスをして、腰を抱きしめた。僕の体はゆっくりとリラックスしていった。
「たぶん、君に恋してるのかもしれない」と僕はささやいた、彼の髪が鼻をくすぐるのを感じながら。
「たぶん俺はもうしてる」
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