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第16話

ビールが喉を通るとき、まるで火の玉のように燃えた。私は星で満ちた暗い空と壮大な月を見上げた。下の冷たい舗装は不快だったが、立ち上がる気力が湧かなかった。コンビニの裏手にある空っぽの駐車場で、私は心を蝕むあらゆる痛みと記憶を無視していた。

もう一口飲んだとき、近づいてくる足音が聞こえた。誰かもわからなければ、ここにどれくらいいたのかもわからなかったが、気にもしなかった。足音は私のそばで止まり、セメントの地面に影が形作られるのを見ていた。見上げなくても、あの馴染みのある香りが私の体のすべての細胞を揺さぶった。

「ひどい夜を過ごしてるみたいだな」

マティアスの声が静寂を破ったが、私は彼の影に目...