第4話
今日は早めに出社した。まだ朝の07:25だから、部署の誰も来ていない。
ジムの後、いつもは野良犬や野良猫に餌をあげるボランティアをしている保護施設に行くのが、学校に行く前の毎日の日課だった。
朝5時にジムに行き、6時頃に終わって、07:30には家に帰り、シャワーを浴びて、08:30には学校に向かう途中だった。
インターンシップを始めることになったと知ったとき、仕事が朝8時から始まるので、1時間以上は滞在できないと保護施設に伝えておいた。
でも今日は、朝に他のボランティアが来るから休んでもいいというメッセージを受け取ったので、とても早くオフィスに来ている。
コーヒーやお茶を作る小さなパントリーに行った。まだ朝のコーヒーを飲んでいなかったので、ここで一杯作ることにした。
コーヒーを手に持ってドアの方に向かおうとしたとき、ウィリアムズさんが立っているのを見て驚いた。
こんなに早くオフィスに誰かがいるとは思っていなかったので、誰かがただそこに立っているのを見て心底驚いた。手に熱いコーヒーを持っていることをすっかり忘れて、床だけでなく自分にもこぼしてしまった。
「あらまあ！」ウィリアムズさんが叫ぶのが聞こえた。
ショックとおそらくその瞬間に体内を駆け巡るアドレナリンのせいで、胸と腹部のやけどを感じることができなかった。
私の目はただウィリアムズさんの動きを追っていた。それはスローモーションのようだった。彼女はたくさんのティッシュを取り、それで私の服を乾かそうとしていたが、感じるのは彼女の手が私の胸に触れていることだけだった。完全に触れているわけではなく、ティッシュで拭いていたのだが、私はまだマグカップを持ったまま、動くことができなかった。
「大丈夫ですか？ミス...くそ、大丈夫ですか？」彼女の声に焦りが感じられた。なぜ動けないの？私はどうしたんだろう？
ウィリアムズさんは私の両肩を掴んで揺さぶった。
「お嬢さん、大丈夫ですか？」
肩に彼女の手を感じたとき、我に返った気がした。
「大丈夫ですか？」彼女は繰り返した。
今や正気に戻り、熱いコーヒーが原因で胸と腹部に痛みを感じることができた。
私の口は自然に大きく開き、目も同様だった。頭を下げてシャツを振り払い始めた。
ボタンダウンシャツの下にインナーを着ていたのは幸いだったが、それでも痛かった。
「こっちに来て！」ウィリアムズさんは私の手を取り、彼女についていくよう導いた。彼女は私の手からコーヒーマグを取り、カウンターに置いた。
手が触れた瞬間、説明できない感覚が胃の中に生まれた。それはチクチクするような何かだった。
彼女の手はとても柔らかく暖かかった。突然、体中を電気が走るような感覚を覚えた。
あれは何だったの？
以前にはこんな感覚を味わったことがなかった。多くの人が私の手を握ったことがあるけど、こんな感覚は一度もなかった。
胸と腹部の痛みは、私の全存在が彼女の手が私の手を握っていることに集中したため、魔法のように消えた。
彼女は私を彼女のオフィスに連れて行き、ドアを施錠し、ソファに座るよう合図した。
彼女が私の手を離したとき、空虚感が私の体を包み込んだ。
「シャツを脱いで」彼女は救急箱を探りながらさりげなく言った。
「な、なんですって？なぜ？」私はバカみたいに尋ねた。
彼女は自分がしていたことを止めて、私を見た。
彼女は笑っていたの？彼女の唇の端がちょっと動いたように見えた気がする。
「うーん、あなたが肌をやけどしたので、救急箱にある応急処置用クリームを塗ろうと思っているからです」彼女は皮肉っぽく答えた。
「さあ、シャツを脱いで」彼女は少し大きな声で繰り返し、薬を探し続けた。
見つけると、彼女は私の前にあるコーヒーテーブルで私と向かい合って座った。
「まあ、今は遠慮している場合じゃないわ、ミス...」彼女はイライラした様子で言った。
「ここであなたの名前を教えてくれる番ね」
「あ、私はカーラです、カーラと言います」私は動揺して彼女に伝えた。
「わかったわ、カーラ。あなたのシャツの下に何があろうと、私にも同じものがあると確信していいわ。いい？今すぐ脱いで、クリニックに連れて行く必要があるか、このクリームで十分かを確認させて」
彼女の命令口調を聞いて、私はシャツのボタンを外す速度を上げた。
シャツが脱げるとすぐに、彼女は私のインナーの裾を掴み、頭から持ち上げるのを手伝って、完全に脱がせた。
まあ、彼女は忍耐強い女性ではないわね。
「そんなにひどくないわ、2枚重ね着していたのが良かったと思うわ」彼女はクリームを取り、指につけて、赤くなっている部分に優しく塗った。
彼女の指が私の肌に触れたとき、また胃の中に見慣れないチクチク感を感じることができた。触れるたびに背筋に震えが走った。これは普通じゃない、そうでしょ？
上司の前で半裸になっていることは完全に認識していたが、考えられるのは彼女の指が優しく私の肌に触れていることだけだった。
彼女が忙しくしている間、私は彼女の顔の特徴を評価することに忙しかった。彼女の顔には一つの毛穴さえないように見える。どうしてそれが可能なの？
彼女の長いまつげとその茶色の目、私はそれに溺れることができそうだった。なぜ上司にこんな感情を抱いているの？ああ、なぜ女性にこんな感情を抱いているの？
そのことに気づいて、正気に戻った。
「も、もう終わりましたか？」私は緊張して尋ねた。
突然、心臓が速く鼓動しているのを感じた。
「なぜ緊張しているの？」彼女は自分がしていたことを止めて、まつげの下から私を見た。
「な、なに？」
ああ、どもるなんて、助かるわね。
「胸の脈が速くなっているのを感じるわ。なぜ緊張しているの？」
私は胸を見下ろして何かを見ようとした。彼女は私をからかっているの？
「そんなに痛いの？クリニックに連れて行った方がいい？」彼女の声に心配が聞こえた。
彼女は私を心配しているんだ。彼女の目は私を見て柔らかくなった。
「あ、いいえ、いいえ、そうではありません」
「本当に？」
「はい、はい、大丈夫です。もう行ってもいいですか？」
「半裸で？うーん、それはどうかしら」彼女は頭を振りながら微笑んだ。
「ここに着られるものがあるわ、あなたの...ズボンに合うと思うわ」彼女は文の最後でほぼ言葉を詰まらせた。私の目は彼女が見ていたもの、つまり私の胸に飛んだ。
突然、意識してしまい、手で隠したくなったが、バカに見えたくなかったので、そのままにしておいた。
私が咳払いをすると、彼女は我に返り、すぐに立ち上がった。彼女はコーヒーテーブルの足にほとんどつまずきそうになった。とても速く立ち上がったからだ。
彼女が捕まったように見えたので、笑うべきかどうかわからなかった。でも、彼女を恥ずかしがらせないために、笑わないことにした。
「はい、これを着て」彼女はゆったりとしたグレーの半分ボタンが留められたシャツを私に手渡した。
ふむ。彼女はすぐに立ち直るんだな、と思った。
私は彼女の手からシャツを取り、優しく着た。
「ありがとうございます。明日、洗濯して返します」
「いいえ、あなたのものにして。どうせ私が原因だから」彼女は私の胸を指さした。
「ああ、いえ...」
「本当よ、取っておいて」彼女は私の言葉を遮った。
「ありがとうございます、ウィリアムズさん」
「ただ...アレックスと呼んで。あなたのことを十分見たから、お互いファーストネームで呼び合うのが公平だと思うわ」彼女は冗談を言い、彼女の目は私の胸に飛んだ。
それにどう反応すべきかわからなかったので、ただ微笑んで立ち上がった。彼女のドアに向かって歩き、鍵を開けた。出る前に、彼女にさよならを言った。
「また会いましょう、アレックス」
そして彼女が応答する前に、ドアを引いて後ろに残して去った。
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