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521話

グレースは笑顔の絵文字を送った。なぜだか分からないが、この少年との会話は彼女をリラックスさせ、居心地良く感じさせた。おそらくオンラインだからこそ、現実生活で着けている仮面を無意識に脱ぎ捨て、あまり制約なく思うままを言えるからだろう。

「ここにいるよ?ずっと待ってたんだから」

相手はすぐに返信し、さらに拗ねた表情も送ってきた。

「待ちくたびれちゃった?でも私だって授業に出なきゃいけないのよ」

グレースは思わず微笑んだ。彼女が言ったことは相手を欺いているわけではなかった。確かに彼女は授業中だったのだから。ただし教師としての立場だったが。

「そんなことないよ!大学って楽しい?」

「まあ...