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349話

朝の運動の後、生徒たちは二人三人のグループになって教室へ戻っていった。55組の列の中で、オーガストという名のハンサムな若者が憂いを帯びた表情で事務棟の二階を見つめていた。彼は55組の英語クラス委員だった。ヴァネッサが都会での研修のため不在となり、クラスには一時的に男性教師が配置されていた。そのせいでクラスの男子生徒たちは元気がなく、しおれたナスのようだった。

オーガストもまた、ヴァネッサの帰りを切望していた。ヴァネッサがいる時は、彼女への思いの深さに気づいていなかった。しかしヴァネッサが去ってすぐ、オーガストは心に空虚さを感じるようになった。彼のお気に入りの英語の授業はつまらなくなり、禿げた...