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チャプター 1623

ヤスミンは、自分がアベルをうっかり惚れさせてしまったなんて夢にも思っていなかった。彼女にしてみれば、この程度の誘惑など何でもなかった。昔、街の不良たちとつるんでいた頃は、もっと無茶なことをしていたのだから。

だが、イヴァンとの仲違いを考えると、ヤスミンは少し不安になった。アベルの個人指導があっても、たった半年で成績が急上昇するとは考えにくかった。何か別の計画が必要だった。

ふと、イヴァンに果敢に立ち向かい、彼に大打撃を与えた男のことを思い出した。もし彼の助けを得られれば、何か予想外のいいことがあるかもしれない。

ここ数年、ヤスミンはそれほど熱心な生徒ではなかったが、男心を理解することにか...