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第49章

高橋玲子の張り詰めていた心の糸は、少し緩んだ。口元が思わず上がる。

「佐藤社長のそのお言葉があれば、もっと自信が持てます。ご安心ください、私は簡単に倒れたりしません」

電話を切ると、高橋玲子の目に再び闘志が灯った。

資料と証拠に埋もれながら、この厳しい反撃の道を歩み始めた。

高橋玲子は時間を忘れるほど没頭していた。ようやく退社の時間を思い出したとき、空はすでに暗くなっていた。

オフィスの外を見ると、もう誰もいなかった。

高橋玲子はパソコンを切り、立ち上がってオフィスを出た。

ドアに着いたとき、フロントで静かに座っている佐藤時夜の姿が目に入った。

高橋玲子は一瞬喜びを感じたが、...