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第43章

「私の足!」サリエルの顔色は極めて悪かった。

それは単に足の痛みだけではなく、今日のショーを非常に気にかけていたからだった。

この転倒で、すべてが台無しになってしまった!

高橋玲子はこの瞬間、サリエルの足のことで頭がいっぱいで、ショーのことなど考える余裕などなかった。

「警備!担架を持ってきなさい!」

その声量は騒がしいバックステージでも鮮明に聞こえ、周囲の人々の慌てを一瞬で払拭した。

「ミズ・サリエル、ご心配なく、すぐに医者が来ますから。まずは休憩室に戻りましょう」

高橋玲子は担架について足早に休憩室へ向かいながら、優しい口調でサリエルを絶え間なく安心させていた。

佐藤美咲...