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第41章

「別に構わないけど」佐藤時夜は高橋玲子の目を見つめながら、静かに言った。

居間の雰囲気が突然艶めかしくなり、高橋玲子の鼻先には松の香りが漂い、無視できない男性ホルモンが感じられた。それはすべて佐藤時夜から発せられるものだった。

彼女の心が小さく震え、思わず逃げ出したくなった。「お先に失礼します」

慌てて逃げ去る高橋玲子の後ろ姿を見て、佐藤時夜は少し困ったような、おかしいような表情を浮かべた。自分はそんなに怖い存在なのだろうか?

……

ここ数日、高橋玲子はミズ・サリエルのショーの準備に心血を注いでいた。

毎日早朝から夜遅くまで、アトリエ、ショー会場、制作室を行き来し、非常に忙しいな...