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第40章

他の人と同じように、高橋玲子の視線は佐藤時夜に留まった。彼は彼女の視線を捉え、わずかに目を上げると、その青い瞳が彼女と視線を交わした。

一瞬、高橋玲子の呼吸が止まり、耳元で女性社員たちの興奮した声が響いた。

「ああ、私の方を見てる!気絶しそう」

「気絶するのはあとにして、こっちに来てるわよ!私を探してるの?」

彼女たちの言葉を聞いて、高橋玲子はようやくボディーガードが佐藤時夜を押して近づいてきたことに気づいた。車椅子は高橋玲子の前で止まった。

彼の眉間には生まれながらの気品と疎遠さが漂い、全身から発せられる強大な存在感に、誰も近づく勇気が出なかった。

高橋玲子を見つめる時、佐藤時...