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第20章

高橋玲子は顎をわずかに上げ、その眼差しには自信と決断力が宿っていた。

「佐藤社長、高橋グループを代表してお伝えしますが、CMタレントについては既に適任者を選んでおります。決して高橋月見ではありません」高橋玲子は自信を持って言い切った。

公私ともに、この座は高橋月見のものにはならないのだ。

「何の権限があるっていうの!」高橋月見は立ち上がり、怨恨の眼差しで高橋玲子を睨みつけた。

「何の権限かって?会社の筆頭株主という立場で十分でしょう?」高橋玲子は軽く高橋月見を一瞥した。

権力を持つというのは、やはり違う!痛快だ!

高橋峰人と高橋月見は顔を曇らせ、何か言おうとした。

佐藤時夜は冷...