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68話

彼女が私から離れていくのを見送るが、今回は行かせることにした。正しい決断をしたと願うばかりだ。彼女が私たちのもとに戻り、約束を守ってくれることを祈っている。

「正しいことをしたんだ」とカーンが言うので、私はため息をつく。

どこかで疑わしく思う。彼女の過去の行動が未来の行動にもなるだろうという気持ちがある。私は永遠に彼女を追いかけ、彼女は常に私から逃げ続けるのだろう。

「歩いた方がいいかもな、手間が少なくて済むし」と私の考えに対してカーンが提案する。馬鹿なオオカミだ。それでも彼の愚かさに思わず笑ってしまう。

家に戻り、彼女を通過させるよう国境警備隊に念話を送る。

すると、イーライが念話...