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第230話あなたは甘い

第二三〇章:君は優しいね

マーシャル

リカルドは最近、珍しく上機嫌だった。その理由を突き止めるのに、天才である必要はなかった。アンジェリアはゆっくりと、だが確実に俺たちに心を開き始めていたのだ。リカルドは感情に振り回されないよう自制していたが、俺はそうではなかった。彼女のことを考えるたび、胸が温かくなると同時に落ち着かないエネルギーが湧き上がり、それを振り払うことができなかった。何事にも確信を持てないなんて俺らしくなかったが、彼女には俺を落ち着かせると同時に、平静を失わせる何かがあった。

「彼女がキスして、ハグしてくれたんだ」リカルドは彼女に会った翌日、俺とキングストンにそう告げた。

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